2010 年 36 巻 p. 375-386
本研究は,歴史系博物館における住まい学習の課題を検討するとともに,そのモデルプログラムを提示し,よって住文化の継承に寄与することを目的とする。まず,博物館には住まい学習に関わる実物教材が豊富であるが十分に活用されておらず,また学習の内容が断片的であるという課題を明らかにした。つぎにこれらの課題を踏まえ,大阪市立住まいのミュージアムの常設展示室を活用し,さらに総合的な学習効果が得られるプログラムをモデル的に開発し,その効果や課題等を明らかにした。以上を通じて今後の歴史系博物館には,子どもから高齢者まであらゆる世代が共に住文化を学べる仕組みづくりが重要であることを指摘した。