住総研研究論文集
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近世近代博多における職住近接と地縁的結合の変容に関する研究
伊藤 裕久菊地 成朋箕浦 永子伊藤 瑞季
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 41 巻 p. 97-108

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抄録
本研究は,博多における地縁的結合の重層に注目しながら,個別の「町」と「流」の内部構造について社会=空間構造の実態と特性,さらに近代への変容過程について解明した。祭礼組織である「流」は近世を通じて地縁的結合の柱として行政機構の末端にも位置づけられていったが,明治期には行政区や学校区による新たな地縁的結合が形成されたことにより,再び祭礼組織として相対化されたことが明らかとなった。博多の社会=空間構造は,「流」による南北通を主軸とした構造から,近代の都市インフラの影響を受けつつ,行政区,学校区,商工人分布ともに東西通を主軸とした構造に変容していった。
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© 2015 一般財団法人 住総研
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