住総研研究論文集
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漁村から住宅地に変容しつつある浦安において継承すべき住文化
突発性リスクと進行性リスクに配慮した空間マネイジメント
窪田 亜矢田中 大朗池田 晃一森川 千裕李 美沙砂塚 大河
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2016 年 42 巻 p. 97-108

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抄録

千葉県浦安市は,1960年代まで小さな漁村集落であった。水害を避けるため限定的な地形を有効に活用する必要があり,密度の高い住空間が展開されていた。工場汚水,地下鉄開通,首都圏の巨大化など多様な影響を強く受けて,漁業は完全になくなり,物理的環境も社会的関係も激変した。木造密集市街地は,大震災時の火災などの突発性リスクからも,高齢化や日中の活動低下という進行性リスクからも,行政の立場からは改善すべき特性となった。しかし,浦安の「ガワ・アン街区」と「ロジ空間」は地域の住文化を支えている。市有地を空地としたまま活用することで,リスクを軽減しつつ,ガワ・アンやロジという空間構造とそれに依る住文化を継承できる可能性がある。

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© 2016 一般財団法人 住総研
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