2016 年 42 巻 p. 203-214
チェコの社会主義時代の大規模住宅開発地の一つであるオストラヴァ市Ostrava-Jih地区について,関係者へのインタビュー,アーカイブ資料調査,現地踏査を通じて,現在何が地域の価値として認識されているのかを明らかにすることによって,これまで一般的に評価が高かったとは言い難い社会主義時代の住宅開発地の再価値化を行った。その結果,居住地域の周辺に川や森などの自然が多いことに加え,日常生活に必要な商業施設,公共施設が揃っていることが高く評価されていた一方,近年の社会的立場の弱い人々の急増や空気の悪さが指摘された。更に,地域環境改善のために自ら行動を起こしている住民がいることが明らかになった。