2024 年 50 巻 p. 13-24
職人でもDIYerでもない「第三の担い手」がリノベーション工事の一部を担い始めている。彼らは建築に関わる職歴や学歴を有していないが,メディアやワークショップ等を通じて技能を高め,趣味のDIYを生業としての施工に転じた人物である。その実態を明らかにする事を目的に,日本の第三の担い手 10 名とステークホルダーにヒアリングを行った。米国調査では,先行事例から課題や社会的背景を考察した。研究結果として,多能工的な施工,DIYerや職人との協働,人間関係の構築を含めた属人的な技能等の特性を把握した。職人が仕事として受けづらい空き家の改修を担う等,建設業及び地域社会における第三の担い手の役割の骨格が見えた。