住総研研究論文集・実践研究報告集
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チリのチロエ島の伝統大工技術に関する研究
船大工芸術の歴史,現在,そして将来の考察
Pulido Arcas Jesús Albertoラモン ヒメネス ベルデホ ホアン
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ジャーナル オープンアクセス

2024 年 50 巻 p. 37-48

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抄録

本研究はチリの伝統的な船大工技術に焦点を当て,その歴史的起源,現在の状況,そして将来の展望を調査することを目的としている。現地調査,船大工たちへの半構造化インタビュー,およびワークショップを通じて収集した情報を元に,この技術の多様な側面を分析した。さらに,チロエの伝統的なコミュニティ共同作業である「ミンガ」に参加し,船大工の役割が農村社会とチロエの伝統的な木造建築の保護においていかに重要であるかを確認した。研究の結果,船大工は現在も活動を続けているが,将来的な活動の継続は不透明であることが明らかとなった。船大工技術を保護し継承していく為には,文化財としての公式な認定よりも,農村社会と船大工の緊密な結びつきを理解し,強化することが肝要と考えられる。

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