2009 年 40 巻 1 号 p. 13-17
8ヶ月齢、避妊雌のスコティッシュフォールドが右後肢跛行を主訴に来院した。X線検査で骨軟骨異形成症と診断し、非ステロイド系抗炎症薬と関節軟骨保護サプリメントを投与したが十分な改善がみられなかった。そこで、病理検査を実施し、足根骨に放射線を照射した。照射直後より顕著な改善がみられ、非ステロイド系抗炎症薬を中止できた。しかしながら、70日後に跛行が再発したため、症状が重度であった左右後肢の趾節骨に照射を再度行なった。照射後1ヶ月間は疼痛の軽減はみられなかったが、55日目に飼い主より症状の改善が報告された。照射後158日以上経過した現在も症状は認められないが、X線検査では左右後肢の骨変形は進行していた。