生後1~4週齢の仔牛7頭に, キシラジン (Xy) 0.2mg/kgを静脈内投与し, 脳波の変化を経時的に観測した。脳波の記録には針電極を使用し, 左右前頭部, 左右後頭部の単極導出で行った。Xy投与前の脳波は, 10μV前後の低振幅なβ波が主体をなし, これに10~20μVのα波と20~30μVのθ波が混在した。また, β波の一部はθ波に重畳していた。Xy投与後1~2分から約20分間3Hz以下の徐波 (δ波) が連続出現した。δ波の振幅は100μVを超えるものが多く, 前頭部に比べ後頭部でより高振幅であった。Xy投与後30分以降はδ波の出現率および振幅はともに低下し, α波やβ波の出現が増した。Xy投与後90分ではほぼ投与前に近い脳波像が得られた。
Xy投与後10分と60分に行った閃光刺激により, ともに全例で後頭部優位な光駆動反応がみられた。