獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
Print ISSN : 0916-5908
ISSN-L : 0916-5908
犬における塩酸ケタミン反復投与に伴う麻酔効果の減弱
内田 佳子井出 治渡辺 良巳中出 哲也北澤 馨大友 勘十郎
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 21 巻 4 号 p. 79-83

詳細
抄録
12頭の雑種成犬を用い, 塩酸ケタミン5mg/kgまたは10mg/kgを3日おきに計10回静脈内に反復投与し, その影響を観察した。痛覚回復, 起立および歩行までに要したそれぞれの時間は, 短縮する傾向がみられ, それは耐性の発現によるものと考えられた。血圧, 心拍数, 呼吸数および体温では, 反復投与の影響は観察されず, また他の特記されるべき副作用もみられなかった。これらのことより, ケタミン反復投与のリスクは小さく, 臨床応用が可能であるが, 使用にあたっては, 耐性の発現と投薬量について検討する必要があると思われた。
著者関連情報
© 獣医麻酔外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top