獣医麻酔外科学雑誌
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猫における椎間板ヘルニアの1例
田中 宏中井 リカ北村 雅彦中山 正成
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2003 年 34 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
主に屋内飼育されていた8歳齢, 体重8.4kg, 去勢雄の雑種猫が, 外出後突然の両後肢のふらつきを主訴として来院した。初診時は後肢対麻痺, 排尿排便のコントロールが不可能であるという神経症状を呈していた。単純X線検査, 脊髄造影検査所見から, 猫において非常に稀とされている椎間板疾患を疑い, 片側椎弓切除術および硬膜切開術による外科的減圧術を行った。手術により脊柱管内に変性した椎間板物質が認められたことから, ハンセンI型の椎間板ヘルニアと診断した。術後, 排尿排便のコントロールは可能となり, 正常歩行も可能となった。
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