獣医麻酔外科学雑誌
Online ISSN : 1349-7669
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34 巻, 1 号
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  • 田中 宏, 中井 リカ, 北村 雅彦, 中山 正成
    2003 年 34 巻 1 号 p. 1-5
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    主に屋内飼育されていた8歳齢, 体重8.4kg, 去勢雄の雑種猫が, 外出後突然の両後肢のふらつきを主訴として来院した。初診時は後肢対麻痺, 排尿排便のコントロールが不可能であるという神経症状を呈していた。単純X線検査, 脊髄造影検査所見から, 猫において非常に稀とされている椎間板疾患を疑い, 片側椎弓切除術および硬膜切開術による外科的減圧術を行った。手術により脊柱管内に変性した椎間板物質が認められたことから, ハンセンI型の椎間板ヘルニアと診断した。術後, 排尿排便のコントロールは可能となり, 正常歩行も可能となった。
  • 藤井 康一, 宗像 俊太郎, 渡邊 俊文, 陰山 敏昭, 茅沼 秀樹
    2003 年 34 巻 1 号 p. 7-12
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    食欲不振, 頭部の振戦, 体が揺れるという主訴で来院した10歳齢, 避妊済の雌, 体重17.2kgの雑種犬に対してMRI検査を行ったところ, 嚢胞を伴った小脳病変 (後頭蓋窩嚢胞性疾患) が認められた。後頭骨に穴を開け, 嚢胞-腹腔シャント手術を施したところ, 臨床的回復が観察された。術後1ヶ月のMRI検査では, 嚢胞の縮小が認あられた。手術から2年後のMRI検査において, 病変の進行は認められなかった。術後2年間にわたり順調な経過をたどり, 良好なQOLが得られた。
  • 三輪 恭嗣, 松永 悟, 松木 直章, 中山 裕之, 清水 浩二, 小川 博之
    2003 年 34 巻 1 号 p. 13-19
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    11歳2ヵ月齢の雌のペルシャ種猫がふらっきと異常行動のために上診した。MRI検査にて前頭葉から頭頂葉部にかけて髄膜腫と思われる境界明瞭な腫瘤を確認し, 同腫瘤と頭頂部の皮膚に認められた皮膚腫瘤を摘出した。それぞれの腫瘤は病理組織学的検査結果で髄膜腫とその皮膚転移と診断された。術後150日以上経過した現在, 自力排尿ができないことを除き, 症例には明らかな異常は認められていない。
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