主に屋内飼育されていた8歳齢, 体重8.4kg, 去勢雄の雑種猫が, 外出後突然の両後肢のふらつきを主訴として来院した。初診時は後肢対麻痺, 排尿排便のコントロールが不可能であるという神経症状を呈していた。単純X線検査, 脊髄造影検査所見から, 猫において非常に稀とされている椎間板疾患を疑い, 片側椎弓切除術および硬膜切開術による外科的減圧術を行った。手術により脊柱管内に変性した椎間板物質が認められたことから, ハンセンI型の椎間板ヘルニアと診断した。術後, 排尿排便のコントロールは可能となり, 正常歩行も可能となった。
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