日本獣医がん学会雑誌
Online ISSN : 1884-3352
Print ISSN : 1884-3344
ISSN-L : 1884-3344
短報
前立腺癌の犬3例に対する緩和的放射線治療の効果
藤田 道郎島倉 秀勝長谷川 大輔谷口 明子河上 栄一織間 博光
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 1 巻 1 号 p. 20-25

詳細
抄録

前立腺癌の犬3例に対し、緩和目的として低分割大線量放射線治療を実施した。その結果、症例1では照射後に血尿が消失した。照射前後の前立腺癌のサイズはRECIST基準で、PRが1頭、SDが2頭であった。さらに、前立腺周囲の腫瘍浸潤も改善された。フォローアップ中における寛解持続期間はそれぞれ12ヵ月、7ヵ月および3ヵ月であった。放射線障害は晩期障害として色素沈着のみであった。以上から、前立腺癌に対する緩和治療として低分割大線量放射線治療はその有用性が示唆された。

著者関連情報
© 2010 日本獣医がん学会
前の記事 次の記事
feedback
Top