日本獣医がん学会雑誌
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Print ISSN : 1884-3344
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原著
術後の補助的化学療法として低用量シスプラチン療法を行った犬の悪性腫瘍16例
佐藤 敏彦川村 裕子山田 徹圓尾 拓也金久保 佳代伊藤 哲郎武田 晴央杉山 大樹石川 剛司斑目 広郎茅沼 秀樹菅沼 常徳信田 卓男
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2010 年 1 巻 3 号 p. 39-44

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抄録
病理組織学的に悪性腫瘍と診断された犬16例に、術後補助的化学療法として低用量シスプラチン(CDDP) 療法(CDDP20-30mg/m2/2-3wk) を行った。CDDPの投与回数は全体で110回、中央値6回(3-15回)、平均投与量24.2mg/m2、累積投与量中央値145mg/m2(60-320mg/m2)であった。副作用の発現は16例中10例で、そのうち嘔吐が6例、食欲低下が2例、好中球減少症が2例あった。the Veterinary Co-operative Oncology Group(VCOG)分類では、これらの症例はグレードIまたはIIで軽度であり、入院治療は必要なかった。また、腎障害も認められなかった。
これらの結果より、術後補助的化学療法としての低用量シスプラチン療法は安全な方法であると考えられ、より多くの症例での検討が望まれる。
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© 2010 日本獣医がん学会
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