日本獣医がん学会雑誌
Online ISSN : 1884-3352
Print ISSN : 1884-3344
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原著
イヌの上顎および下顎に発生した高分化型線維肉腫に対する局所療法: 31cases(1998-2007)
信田 卓男圓尾 拓也福山 泰広保坂 創史林 光児今井 理衣横山 知美山田 徹伊藤 哲郎斑目 広郎
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2010 年 1 巻 3 号 p. 45-51

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抄録
イヌの上顎および下顎に発生した高分化型線維肉腫の31例に対して回顧的調査を実施した。腫瘍の大きさは平均6.5cm、生存期間中央値は270日で、発生部位(上顎と下顎)による差は認められなかった。生存期間は、無治療で162日、局所療法(切除/放射線治療)を実施したもので592日であり、有意差が認められた(p=0.008)。無腫瘍期間は切除のみでは68日であり放射線治療を併用すると515日であり、有意に延長した(p=0.027)。死亡原因は局所腫瘍の増大によるが、切除と低分割放射線治療により遅らせることが可能であった。
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© 2010 日本獣医がん学会
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