抄録
イヌの上顎および下顎に発生した高分化型線維肉腫の31例に対して回顧的調査を実施した。腫瘍の大きさは平均6.5cm、生存期間中央値は270日で、発生部位(上顎と下顎)による差は認められなかった。生存期間は、無治療で162日、局所療法(切除/放射線治療)を実施したもので592日であり、有意差が認められた(p=0.008)。無腫瘍期間は切除のみでは68日であり放射線治療を併用すると515日であり、有意に延長した(p=0.027)。死亡原因は局所腫瘍の増大によるが、切除と低分割放射線治療により遅らせることが可能であった。