日本獣医がん学会雑誌
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短報
抜歯により病期が進行したと考えられるイヌの口腔扁平上皮癌の2例
石川 剛司信田 卓男圓尾 拓也杉山 大樹金久保 佳代伊藤 哲郎茅沼 秀樹菅沼 常徳
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2010 年 1 巻 3 号 p. 52-57

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抄録
歯肉に発生した腫瘤に対し、腫瘤切除と抜歯を行われていた2例に遭遇した。扁平上皮癌と診断され、早期に再発したため麻布大学附属動物病院に紹介された。CTにより両例とも鼻腔内への浸潤が認められた。症例1は放射線治療を、症例2は切除と術中照射および術後照射を実施した。その後にカルボプラチンとピロキシカムを投与し、症例1は2年、症例2は1年経過しているが再発を示唆する症状は認められなかった。抜歯を行うことで鼻腔内への浸潤が容易となるため、抜歯を行う前に組織学的検査をすることが重要である。
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© 2010 日本獣医がん学会
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