日本獣医がん学会雑誌
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短報
T-cell-rich B-cell lymphoma の犬の1例
林宝 謙治賀川 由美子山上 哲史
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2013 年 4 巻 1 号 p. 1-5

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抄録
右下顎リンパ節の腫脹を主訴に6歳齢、去勢雄のラブラドール・レトリーバーが来院した。腹部エコー検査では脾臓の腫瘤と腰下リンパ節の腫脹が認められた。右下顎リンパ節は、多数の小型の非腫瘍性T 細胞(CD3陽性)と組織球(CD18、MHC class ⅡおよびIba-1陽性)に混じて大型の腫瘍性B 細胞(CD20およびCD79a 陽性)が混合した細胞集団からなり、これらの特徴によりT-cell-rich B-cell lymphoma と確定した。細胞学的評価では、脾臓と腹腔内リンパ節にも腫瘍細胞が浸潤していた。この犬は化学療法による治療を受けたが、十分な反応が見られず第54病日に死亡した。
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© 2013 日本獣医がん学会
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