獣医疫学雑誌
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原著
種々の動物由来豚丹毒菌のアクリフラビン耐性度とRAPD型別による疫学的解析
HASSANEIN Raafat鈴木 吉一澤田 拓士
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2007 年 11 巻 1 号 p. 23-31

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抄録
豚丹毒菌野外分離株32株(豚由来20株,牛由来5株,鶏由来5株,と畜場の牛枝肉由来1株とまな板由来1株)についてアクリフラビン耐性試験とRAPD法による遺伝子型別を行い,7株の参照株と比較した。用いたプライマー13種のうち,NK6とD9355のプライマーによって良い結果が得られた。すなわち,プライマーNK6によって豚丹毒菌は5つのRAPDパターン(a~e)に分かれ,D9355によって8つのRAPDパターン(A~H)に分かれた。しかしながら,これらのパターンは血清型とは無関係で,同じ血清型でも異なるパターンが得られたことから,RAPD法は本菌種間の遺伝的差異を特定できることが示唆された。また,生ワクチン製造用株を含む血清型1a株のいくつかはそれらのアクリフラビン耐性度が異なっても遺伝的には相互に近い関係にあることが示された。これらの結果から,プライマーD9355を用いるRAPD法は種々の動物由来豚丹毒菌を迅速に分類する信頼できる方法として本菌の疫学的解析に有用であると思われた。
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© 2007 獣医疫学会
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