獣医疫学雑誌
Online ISSN : 1881-2562
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原著
ベトナム・メコンデルタで急性下痢症を呈した子供におけるサルモネラと腸管出血性大腸菌O157の分布
LY Thi Lien KhaiDUONG Thi Thanh ThaoNGUYEN Thu TamTRAN Thi PhanTRAN Thi Thuy Duyen中臺 文岩田 剛敏谷口 隆秀HA Thanh Toan林谷 秀樹
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2010 年 14 巻 1 号 p. 55-61

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抄録
2001年8月から2002年7月ならびに2004年6月から12月の間に,急性下痢を呈し,Can Tho市,Dong ThapおよびSoc Trang県の病院に来院した922人の子供の糞便からサルモネラおよび腸管出血性大腸菌 O157の分離を行った。サルモネラは922人中45人(4.9%)から分離された。45人の患者から分離されたサルモネラ47菌株は,9血清型に型別され,London, Bareilly, Agona および Typhimuriumの順に多かった。分離されたサルモネラ47菌株のうち,12菌株(25.5%)が薬剤耐性を示し,11菌株(23.4%)は多剤耐性菌であった。これらのことからベトナム・メコンデルタにおいて,サルモネラは子供の下痢症の重要な原因菌になっているものと思われる。なお,腸管出血性大腸菌O157は分離されなかった。
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© 2010 獣医疫学会
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