獣医疫学雑誌
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原著
茨城県の豚および牛飼養農場における反芻獣ペスチウイルスの血清疫学的調査
赤上 正貴早山 陽子長井 誠青木 博史
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2024 年 28 巻 2 号 p. 112-121

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抄録

反芻獣ペスチウイルス(RPV)は牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)およびボーダー病ウイルス(BDV)に代表される反芻獣を宿主とするウイルスである。豚がRPVに感染すると豚熱ウイルス(CSFV)の血清学的診断に影響を及ぼす恐れがあるため,2018年の豚熱国内発生前の検体を用いて茨城県の牛および豚におけるRPV感染状況を調査した。豚飼養農場226戸中4戸(1.8%)が抗体検出ELISA陽性であり,個体レベルでの抗体陽性率は0.25%(12/4,881)であった。これら4戸の豚における中和試験では,3戸がBVDV1中和抗体陽性であり,牛と豚飼養農場の混在地域に立地又は牛飼養農場に隣接していた。また,1戸はBDV中和抗体陽性であり,過去にBDVが分離された農場であった。牛飼養農場377戸中20戸(5.3%)から44頭の持続感染(PI)牛が摘発され,PI牛の75%からBVDV1bが検出された。RPV抗体陽性豚飼養農場4戸のうちの1戸はPI牛摘発農場と隣接していた。以上から,抗体検出ELISA陽性となった豚飼養農場の感染源の一つとして,乳用牛群のPI牛が示唆された。反芻動物におけるRPV感染状況の把握および豚におけるRPV感染の予防は,CSFV感染豚の迅速かつ正確な診断に役立つ。さらに,豚からRPV抗体が検出された場合,CSFVとRPVに対するウイルス中和試験による抗体識別が重要である。

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