抄録
データ共有プログラムに参加した全国124農場の生産記録から抽出してデータベースを作った。2002年の繁殖性指標の記述統計を示した。群レベルのマネジメント関連因子と繁殖雌豚の非生産日数 (NPD) の関係を明らかにするために回帰分析をおこなった。NPDは, 種付けされた若雌豚と経産豚が妊娠していないし, 授乳もしていない日数と定義した。平均NPDは, 53.9日 (SD = 16.1) であった。変数減少法回帰分析で, NPD短縮に関連していたのは, 高い複数交配率, 種付け雌豚の離乳後7日以内の種付け割合の高さ, 低い再発種付け雌豚割合, 低い繁殖雌豚の死亡割合と大きい農場サイズであった。しかし, 授乳期間, 全雌豚中若雌豚群の大きさ, 分娩雌豚の平均産歴, 更新割合と淘汰割合は, NPDとの関係はなかった。生産者は複数交配率, 種付け雌豚中の離乳後7日以内の種付け割合, 再発種付け雌豚割合, 繁殖雌豚の死亡割合を改善するようにマネジメントシステムを変えることが推奨される。