ネコカリシウイルス (FCV) F4株に対する中和モノクローナル抗体 (MAb) およびポリクローナル抗体を用いて, FCV野外分離株とワクチン株の血清学的性状を調べた。MAbを用いた中和試験 (NT) で, 29種類のFCV野外分離株と2種類のワクチン株は4群に分けられたが, 8株はどの群にも属さなかった。ポリクローナル抗体を用いたNTの結果は多様で, 抗血清の中和能は今回用いたMAbが認識する中和エピトープの発現とは無関係であった。以上の結果から, 我が国で同時期に分離されたFCVの多様1生ならびに, 野外分離株をMAbを用いて分類できる可能性が示された。