2000 年 4 巻 2 号 p. 67-70
伝染性ファブリシウス嚢病 (IBD) および大腸菌症に罹患した5万羽を飼養するブロイラー農場の生産回復と費用最小化を目的として, 飼養管理改善に取り組み, その評価を4群 (A: 疾病発生時, B: 投与薬剤変更群, C: IBDワクチンプログラム変更群, D: 飼養管理改善群) の出荷成績および食鳥検査成績で比較するとともに, より経営上の指標として粗利益の比較を実施した。育成率は次第に向上したが, 生産指数はB群で一旦減少した。食鳥検査成績では屠殺禁止, 全部廃棄および部分廃棄率は次第に減少し, 損失肉代として導入ヒナ1, 000羽当たりに換算したところA群では10, 221円の損失であったがD群では2, 608円と減少した。経営学的指標において粗利益を算出し, A群を基準に収益の増減を算出したところ, B群については1, 000羽当たり2, 456円の収益減であったが, C群では19, 625円, D群では32, 168円の粗利益の増加となった。しかし, D群は出荷成績が最高となる秋に導入したためとも考えられるので, 今後さらに検討したい。