獣医疫学雑誌
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ヴガンダ国の貧困緩和に貢献できる獣医公衆衛生の役割
George W. NASINYAMAEdward K. KIRUMIRA門平 睦代
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2003 年 7 巻 2 号 p. 93-100

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抄録

ウガンダの貧しい家庭では, 家畜は, 富の象徴であり, また動物性蛋白質および収入の源としても重要な価値がある。このように, 家畜を飼育することによる利益は明らかであるが, また一方で, 生産者かつ消費者でもある貧しい人々が, 家畜を媒介として病気に感染するという, 負の効果を忘れてはならない。つまり, 貧しい人々は, 家畜や畜産物と接触することにより, 知らないうちにトリパノゾーマ病, 結核, 狂犬病などの, 経済的にも公衆衛生学的にも重要な病気に感染してしまう危険にさらされているのである。このようなことがおこる一番の原因は, ウガンダや世界の多くの国々で獣医公衆衛生の重要性がまだ十分に理解されておらず, 国の公衆衛生事業に獣医公衆衛生活動が適切に組み込まれていないからである。本論文では, ウガンダの貧困問題に焦点をあてながら, 公衆衛生事業全般における獣医公衆衛生の本来あるべき役割について述べる。

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