日本獣医師会雑誌
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日本産業動物獣医学会会誌
低受胎豚の経直腸超音波検査による卵巣所見と血中プロジェステロン濃度,ならびに生殖器の病変
日高 良一羽上田 陽子日高 真千子上村 俊一
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2009 年 62 巻 7 号 p. 545-548

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抄録

低受胎豚18頭(未経産:7頭,経産:11頭)の卵巣を,経直腸超音波検査で観察したところ,5頭に黄体共存型寡胞性卵巣囊腫が認められ,血中プロジェステロン濃度はそれ以外の低受胎豚の黄体開花期に比べ低かった(16.2± 1.0ng/ml,23.1±5.3ng/mlP <0.01). 解体後の病理学的検査により,慢性子宮内膜炎が8頭,子宮角盲端3頭,卵管間膜囊胞2頭,卵管采癒着が1頭に認められた. 低受胎豚の要因として,血中プロジェステロン濃度の低下を伴う黄体共存型寡胞性卵巣囊腫と子宮内膜炎,子宮・卵管の形態的異常が示唆された.

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© 2009 公益社団法人 日本獣医師会
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