と畜場に搬入された豚から検出されたStreptococcus suisの疫学的検討

抄録

浜松市と畜場に搬入された豚から検出されたStreptococcus suis 176株について，multiplex PCR法により莢膜合成関連遺伝子および病原関連マーカー遺伝子の保有状況の調査を行ったところ，2005年の中国四川省での大規模発生時に人患者から分離された株と同一のタイプの株が得られた． それらの株について，パルスフィールドゲル電気泳動法，16S rRNAシークエンスおよびMultilocus Sequence Typing法を用いて分子疫学的な解析を行った結果，今回検出された株の中には国内外の人患者由来株と遺伝学的に近縁な株が含まれることが明らかとなり，これらのことから，と畜作業従事者に対するS. suis感染予防対策の重要性が改めて示された．