日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
日本小動物獣医学会会誌
膵炎に続発したと思われる膵偽囊胞に経胃外瘻ドレナージが有効であった犬の1例
杉田 恵子杉田 喜與春三品 美夏青木 大茅沼 秀樹渡邊 俊文
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 62 巻 7 号 p. 559-562

詳細
抄録

5歳齢,避妊済み雑種犬が急性膵炎の発症後約4週を経過してふたたび嘔吐を主訴とし来院した. 超音波検査で,嚢胞内に血流のない組織を含んだ大きなエコーフリー像が胃に隣接してみられた. 内視鏡検査で,胃幽門洞大彎側で胃粘膜が球状に胃内に隆起し,幽門洞を狭小化しているのが確認された. CT検査では膵左葉から胃背側壁に達する均質な低吸収域が確認された. 開腹手術を実施したところ囊胞が確認されたため,経胃的外瘻ドレナージ術を施した. 術後の経過は良好で,ドレーンチューブを抜去した後も再発はみられなかった.

著者関連情報
© 2009 公益社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top