抄録
3歳齢,避妊済み雌,体重800gのフェレット(Mustela putorius furo)が,食欲廃絶,悪心,腹部膨満や腹部痛を主訴に来院した.精査により,脱水,高血糖,高インスリン血症,腹腔内リンパ節の腫脹,脾腫が確認され,腹部X 線検査において消化管閉塞を疑う結果が得られた.開腹手術を行ったところ,脾臓の一部に腫瘤が確認された.膵臓は硬化し,膵臓周囲の脂肪が重度の炎症を呈し,腫脹した膵十二指腸リンパ節が十二指腸の一部を圧迫していた.摘出した脾臓,膵十二指腸リンパ節,膵臓左葉の病理組織学的検査により,脾臓は髄外造血,膵十二指腸リンパ節は反応性過形成,膵臓は慢性膵炎と診断された.手術翌日には臨床症状が改善した.本症例は慢性膵炎による膵十二指腸リンパ節の腫脹が消化管閉塞を発現したものと考えられた.