日本獣医師会雑誌
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日本産業動物獣医学会誌
脳幹部膿瘍により神経症状を呈したホルスタイン種子牛の1例
松本 高太郎村上 智亮菅生 樹春山田 一孝古林 与志安松井 高峯猪熊 壽
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2010 年 63 巻 5 号 p. 351-354

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抄録
17日齢のホルスタイン種雌子牛が,神経症状を示した. 病畜は頭部を左後方に折り曲げて伏臥姿勢を示し,時折自力で起立したがすぐに倒れ歩行不能であった. 神経学的検査では右の対光反射,威嚇瞬き反射,眼験反射,および音響耳介反射が消失していた. ビタミンB1およびデキサメサゾンの投与により第7病日に歩行可能となったものの左への斜頚・旋回が認められ,神経学的検査所見に改善は認められなかった. 第7病日に病理解剖を行い,肉眼的には橋の断面右側に直径1cm大の膿瘍を認め,嫌気培養にてFusobacterium necrophorumが検出された. 左側への斜頚,聴覚の消失等の脳神経症状は,橋の右側の膿瘍により内耳神経等の脳神経核が圧迫された結果出現した聴覚障害,平衡障害のためと考えられた.
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© 2010 公益社団法人 日本獣医師会
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