抄録
2002年から2010年に細菌感染症で当院に来院した犬130例と猫33例から腸内細菌科細菌141株(Escherichia coli 85株,Klebsiella pneumoniae 20株,Proteus mirabilis 19株,Enterobacter spp. 11株,Citrobacter spp. 6株),Pseudomonas aeruginosa 31株,Pseudomonas spp. 16株,Acinetobacter baumannii 9株,A. lwoffi 12株及びPasteurella multocida 11株が分離された.4系統以上の抗菌薬に耐性を示す多剤耐性腸内細菌科細菌が犬から20株,猫から10株分離され,部位別では,尿から13株,皮膚から8株,皮下膿瘍から5株分離された.P. aeruginosaはゲンタマイシンに対して94%が感受性であったが,オフロキサシンに対しては26%が耐性であった.グラム陰性菌の抗菌薬への耐性化の動向に注意が必要であると考えられた.