抄録
北海道の牛飼養農場及びその周辺に生息するネズミ類267頭,アライグマ208頭,キタキツネ9頭,カラス類208羽,スズメ9羽,ドバト5羽のサルモネラ保菌状況を調査した.培養法によって,腸内容物及び脚表面からサルモネラの検出を行ったところ,カラス類14羽(6.7%)及びアライグマ11頭(5.2%)からサルモネラが分離された.分離株の血清型は,Infantis(カラス類),Thompson,Agona,O4 : i : - (アライグマ),Braenderup,Typhimurium(両種)であった.これらの結果から,野生動物が牛におけるサルモネラの感染源になり得ることが示唆された.