日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
乳牛の蹄底潰瘍に対する多血小板血漿混合アルギン酸ゲルの蹄底再生効果
田邊 貴史都築 直徐 鍾筆石井 三都夫山田 一孝羽田 真悟田畑 泰彦佐々木 直樹
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2012 年 65 巻 5 号 p. 345-349

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抄録

蹄底潰瘍に対する多血小板血漿(Platelet rich plasma,以下PRP)混合アルギン酸ゲルの蹄底角質再生効果を検討した.前日に蹄底潰瘍罹患牛から採血を行い,約5倍の血小板数となるようにPRPを調整した.蹄底潰瘍罹患牛7頭の11蹄に対し,6蹄にPRP混合アルギン酸ゲル(PRP群)を処置し,残りの5蹄にアルギン酸ゲルのみ(コントロール群)を塗布した.塗布後1週目,2週目並びに3週目の経過を観察し,蹄底の欠損割合,病変スコア並びに圧痛スコアを記録し,治療効果を比較検討した.PRP群ではコントロール群と比較して塗布後全週において欠損割合,病変スコア並びに圧痛スコアが有意に低値を示し,病変部の良化が認められた.以上のことから,PRP混合アルギン酸ゲルは乳牛の蹄底潰瘍に有効であることが明らかとなった.

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