2012 年 65 巻 6 号 p. 441-444
牛の休息環境を評価する目的で,一般的にフリーストール牛舎で用いられるStall Standing Index(SSI)をタイストール牛舎にて測定した.4農場で10分おきに給餌󠄀作業終了後120分間測定したところ,4農場すべてで午前最後の給餌󠄀終了後90分にSSIが最小値(10%前後)を示すことが認められた.さらに,39戸のタイストール牛舎において給餌󠄀終了後90分のSSIと過去3年間の蹄角質疾患発症率,第四胃変位発症率,死亡・廃用(死廃)率の関連を調べたところ,有意な正の相関が認められた.蹄角質疾患発症率,第四胃変位発症率,死廃率ともに最も高かった農場でSSIの推移を調査したところ,給餌󠄀終了後90分に最小値を示したが,その値は47.1%であった.タイストール牛舎においてもSSIは休息環境を客観的に測定する指標となることが示唆された.