日本獣医師会雑誌
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
牛胆囊内胆汁のカンピロバクター汚染状況と分離菌株の性状
小野 一晃
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2013 年 66 巻 10 号 p. 713-717

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抄録

牛胆汁を検査したところ,105検体中57検体(54.3%)からC. jejuniが検出された.牛胆汁中のカンピロバクター菌数(cfu/ml)は,42.9%の検体が103cfu/ml以上であり,市販鶏肉の汚染菌数の1,000~10,000倍高い値であった.分離株の30%(12/40)は血清型別不能であったが,35%(14/40)がPenner D群,12.5%(5/40)がPenner B群であった.また,牛胆汁由来株は,PCR法により,供試した40株すべてがflaAcdtAcdtBcdtCcmeAcmeB及びcmeCの7種類の病原遺伝子を保有していることが明らかとなった.さらに,パルスフィールド・ゲル電気泳動法では,牛胆汁由来株は食中毒患者由来株と高い類似性を示し,4種類の制限酵素を用いた場合でも,患者由来株と同一のDNA切断パターンを示した株も認められた.このことから,牛胆汁は食中毒の原因となりうるC. jejuniの重要な汚染源となる可能性が示された.

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