2013 年 66 巻 10 号 p. 718-724
牛のと畜・解体及び枝肉のカット工程におけるISO22000の認証を取得しているJA飛騨ミートにおける微生物自主検査の結果を同施設の前提条件プログラム,SSOP及びHACCPの実施状況の検証に活用できるか,また,2006年まで行っていた次亜塩素酸ナトリウムによる生体洗浄を止めた後の微生物の汚染の実態を比較するため,2009~2011年の自主検査データの解析を行った.と畜・解体ラインの枝肉や製品の微生物制御の検証には一般生菌数を用いた微生物検査データの傾向解析は有用であることが判明した.次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄を止めても,SSOP及びHACCPの適切な実施により微生物汚染レベルはむしろ向上していた.また,2011年,製品(部分肉)データが改善された要因としては衛生意識の向上等人的要因が大きいと考えられた.