2013 年 66 巻 10 号 p. 725-727
Sarcocystis fayeri,S. cruzi,S. miescheriana,S. arieticanis,S. sybillensis及びS. spシスト抽出物をウサギに皮下接種して,毒性を調べた.主な 臨床症状は,沈鬱と間欠性の下痢であった.病理組織学的変化は,腸管と肺にみられた.腸管上皮細胞は剝離・脱落し,残存した細胞にアポトーシスが観察された.肺では小血管に血栓が観察された.ウサギ腸管結紮ループ試験では,すべてのSarcocystisシスト抽出物が陽性であった.以上のことから,Sarcocystisシスト抽出物はウサギに対して腸管毒性を有することが明らかになった.