2013 年 66 巻 11 号 p. 816-819
限られたリソースのなかで,リスク低減に向け,学術雑誌に公表されているリスク評価ツールを用いて,食品衛生監視員による監視指導のあり方を検討した.鶏の唐揚げ×カンピロバクター,目玉焼き×サルモネラ菌,ポテト野菜サラダ×黄色ブドウ球菌の3種類の食品とハザードの組み合わせについて通常監視下の相対リスクを推定した.さらに,食品衛生監視を高度化することによるリスクランキングの変化を推定した.唐揚げ,目玉焼き及びポテトサラダのリスクランキングは「57」,「52」及び「48」であった.さらに,加工,包装,冷却工程において,高度化監視により,加工の効果向上,再汚染の可能性低減及び加工後の管理システムの有効性向上を図ることにより,リスクが大きく下がることが明らかとなった.これら工程及びその組み合わせが重点監視ポイントであることが示唆された.