2013 年 66 巻 3 号 p. 185-189
11歳齢,去勢雄の雑種猫が繰り返す高窒素血症を主訴に麻布大学附属動物病院に紹介来院した.各検査結果より左腎周囲への尿の漏出が疑われ試験開腹を実施した.開腹下において左腎腹側面の腎門部に欠損孔が存在し,同部位から尿の漏出が確認されたため腎盂破裂と診断した.治療は破裂部位を修復するため,膀胱壁の一部を利用し欠損孔に補塡した.術後1週間後に手術部位の近接部にて尿の漏出を認めたが,同手技にて再度修復を行ったところ再発は認めず良好な経過が得られている.