日本獣医師会雑誌
Online ISSN : 2186-0211
Print ISSN : 0446-6454
ISSN-L : 0446-6454
小動物臨床関連部門
原発性上皮小体機能亢進症の猫の1例
湯木 正史北野 奨大立松 歩
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 66 巻 9 号 p. 625-629

詳細
抄録

14歳齢,避妊雌,体重3.45kgの雑種猫がワクチン接種のために来院した.一般身体検査において頸部腹側皮下に腫瘤が触知された.血液検査にて総カルシウム値,イオン化カルシウム値,intact PTH値の上昇が認められたため,頸部腫瘤の外科的切除を行った.病理組織学的検査において上皮小体腺腫と診断された.外科的治療後は,異常値のすべての項目において速やかな低下が認められ,総カルシウム値は基準範囲内を推移したが,イオン化カルシウム値は基準範囲よりわずかに低値を,intact PTH値はわずかに高値を示した.また,約7カ月後には慢性腎不全と診断され治療を行っている.

著者関連情報
© 2013 公益社団法人 日本獣医師会
前の記事 次の記事
feedback
Top