日本獣医師会雑誌
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獣医公衆衛生・野生動物・環境保全関連部門
牛肉における住肉胞子虫感染の現状
松尾 加代子後藤 判友
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キーワード: , 筋肉, Sarcocystis cruzi
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2013 年 66 巻 9 号 p. 638-640

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抄録

乳廃用牛ホルスタイン種30頭を用いて,心筋及びかた,リブロース,ばら,ももの5つの各部位に含まれる住肉胞子虫シスト保有数を比較した.検査した組織切片において,枝肉各部位のシスト陽性率は,心筋の100%に比べ,かた43.3%,リブロース33.3%,ばら33.3%,もも36.7%と枝肉各部位では低かった(P<0.01).検出されたシスト数も枝肉では心筋に比べ有意に少なく(いずれの部位もP<0.01),心筋で平均8.7個(範囲1~58)に対し,かた2個(1~5),リブロース1.1個(1~2),ばら1.9個(1~5),もも1.8個(1~5)であった.次に,県内の食肉処理施設の協力を得て,市販用にカットされた交雑種26頭及び黒毛和種30頭のもも肉部位について,シストの有無を検査した.その結果,交雑種ではシストは検出されなかったが,黒毛和種では5検体からシストが検出された(16.7%).切片当たりのシスト数は1個が2検体,その他はそれぞれ3個,8個,11個であった.本調査で検出されたシストはいずれも形態学的にSarcocystis cruziと同定された.

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