日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
プロスタグランジンF及び性腺刺激ホルモンによる排卵同期化法を用いた豚の定時人工授精
中田 智子田島 瑶子野口 倫子上野山 賀久大蔵 聡前多 敬一郎鈴木 千恵吉岡 耕治
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2014 年 67 巻 2 号 p. 119-124

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抄録

プロスタグランジンF(PGF),馬絨毛性性腺刺激ホルモン及びヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(hCG)投与による排卵同期化法を用いた豚の定時人工授精(AI)技術の確立を目的とし,排卵同期化処置を施した豚の生殖内分泌動態,排卵時期及びAI適期を検討した.排卵後12日から排卵同期化処置を施した豚の血中プロジェステロン濃度は,PGF投与の翌日には有意に低下した.排卵前に起こる黄体形成ホルモンサージのピークは,hCG投与後26.0±1.2時間に認められ,排卵はhCG投与後44.8±2.3時間に観察された.発情終了後から処置を開始し,hCG投与後24時間あるいは36時間に1回のみAIを行った場合,すべての豚から正常な形態を示す胚盤胞が回収された.また,hCG投与後24時間あるいは36時間に1回のみAIを行った豚の繁殖成績は,自然発情中に複数回AIを行った豚と同等であることが明らかとなった.

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