日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
2015年に日本の健康豚から検出された豚サーコウイルス2の遺伝子型
小池 郁子村田 知大井 宗孝村上 賢
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2017 年 70 巻 10 号 p. 650-654

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抄録

2015年に,国内21農場の健康豚530頭から採取した血清を各農場の日齢ごとに混和して163検体とし,PCRにより豚サーコウイルス2(PCV2)の検出を行った.その結果,7農場由来10検体がPCV2陽性となった.PCV2産物を用いたORF2領域(702または705bp)の塩基配列解析により7種類の株が確認され,4株は遺伝子型PCV2a(神奈川県3農場由来,広島県1農場由来)に,3株は遺伝子型PCV2d(青森県1農場由来,千葉県2農場由来)に型別された.また,PCV2dの3株は2008年に国内で検出された株とは異なり,2012年に北米で検出された増殖能力が高いとされるmPCV2株と同じクラスターに属した.国内において優勢なPCV2は時とともに変化している可能性が考えられた.

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