2018 年 71 巻 12 号 p. 697-701
平成28年5~6月,栃木県内の公共牧場の子牛(8~10カ月齢)が下痢を発症し,発症牛の糞便から牛コロナウイルス(BCV)の遺伝子及びコクシジウムの虫卵に加え,牛ロタウイルスC(RVC)の遺伝子が検出された.また,これらのウイルスに対する抗体検査でも,抗体価の有意な上昇が認められた.本症例により,RVCは子牛にも感染することが示唆されたことから,当所で保管している栃木県内の乳用幼若牛の血清100検体についてRVC抗体保有状況を調査した結果,83%の農場で抗体保有牛が検出され,特に12~23カ月齢の子牛では半数が抗体を保有していることが判明した.RVCは一般的に成牛下痢の原因ウイルスの1つとされてきたが,今回の調査を通じて,子牛の下痢でもその要因の1つとして関与していることが示唆された.