日本獣医師会雑誌
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産業動物臨床・家畜衛生関連部門
毛包を用いた免疫ペルオキシダーゼ法による牛ウイルス性下痢ウイルス持続感染牛の簡易検出法
福成 和博八重樫 岳司亀山 健一郎
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2018 年 71 巻 4 号 p. 179-184

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抄録

牛ウイルス性下痢ウイルス(BVDV)の持続感染(PI)牛を簡易に検出可能な毛包を用いた免疫ペルオキシダーゼ(毛包IPO)法を確立した.PI牛41頭,非感染牛60頭の尾房部から得た毛包材料の毛包IPO法の成績は,血液を用いたウイルス分離(VI)及びRT-PCRのそれらと高い一致率を示したが,ウイルス血症を呈した急性感染牛2頭では陰性となり,RT-PCRの成績とは異なった.毛包IPO法は,高い移行抗体の影響によりVI陰性となったPI子牛においても陽性であった.また,毛包材料は-20℃以下の長期保存が可能であった.毛包IPO法によるPI牛の検出は,VI及びRT-PCRと同等の精度で,安価かつ短時間での実施が可能であった.本法の活用は,PI疑い牛及び移行抗体保有牛などの個体検査に適していると考えられ,既存の検査法との組み合わせにより,PI牛の検出が効率的に行えることが示唆された.

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