2018 年 71 巻 5 号 p. 261-265
Clostridium difficile は,人の偽膜性大腸炎,抗菌薬関連下痢症の原因菌となる.C. difficile は,家畜や臨床患者から分離されることもある.そのため,伝播経路は不明であるが,市販肉と人の感染の関連及びレゼルボアとしての家畜の可能性が示唆されている.今回,牛におけるC. difficile の保菌状況について明らかにするために,成牛糞便119検体及び子牛糞便47検体からC. difficile を分離しPCRリボタイピング,毒素遺伝子の検出を実施した.成牛糞便からは分離されなかったものの,子牛糞便17%(8/47検体)から16株のC. difficile が分離された.16株は10のリボタイプに分類された.すべての株が何らかの毒素遺伝子を保有し,69%はtcdA,tcdB,cdtA/B の3種類の毒素遺伝子すべてを保有していた.以上の結果より,国内の子牛に毒素産生性のC. difficile が分布することが示された.