黒毛和種雌肥育牛の脂肪壊死症と種雄牛,導入時の日齢体重及び産肉性の関係を調べた.一般畜と病畜で出荷された290頭を父牛の系統により分類し,主要な3系統に含まれる208頭から,本症と父牛の系統及び導入時の日齢体重の関係を調べた(モデル1).また,同290頭を父牛別に分類し,出荷牛10頭以上となった7頭の父牛を持つ150頭で,本症と父牛及び導入時の日齢体重の関係を調べた(モデル2).その結果,本症の発生には,父牛の違いのみが有意に関連していた.また,モデル2の対象牛のうち一般畜で出荷された147頭に対して,本症と発育及び枝肉成績の関係を検討した.本症である場合,牛脂肪交雑基準値が有意に高かった.以上,本症の対策には,種雄牛ごとの遺伝的影響の把握が必要と考えられた.また,筋肉内脂肪の増加が本症と関連すると推察された.