2018 年 71 巻 8 号 p. 437-442
黒毛和種繁殖牛を用いて,放牧が繁殖牛の酸化ストレス及びいくつかの免疫・栄養指標に及ぼす影響を調査した.血液検査の結果,放牧区において,酸化ストレス指標のチオバルビツール反応物質は放牧期間の後半で有意に低下し,抗酸化ストレス指標のスーパーオキシドディスムターゼ活性(SOD)は有意に上昇した.また,放牧期間中,放牧区は栄養状態を示す尿素窒素,総コレステロール,抗酸化能を有するレチノール,α-トコフェロールは有意に高値を示した.以上から,放牧は蛋白や脂溶性ビタミンを豊富に含む牧草を多く摂取することで,脂溶性ビタミン濃度や活性酸素を除去するSOD活性が高まり,酸化ストレスを軽減させる可能性が示唆されたが,放牧と免疫指標との関連については,さらなる検討が必要であると考えられた.