日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
変性性脊髄症と診断したシェットランド・シープドッグの1例
合田 麻衣宮 豊三重 慧一郎チェンバーズ ジェームズ内田 和幸秋吉 秀保
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2019 年 72 巻 1 号 p. 43-47

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抄録

Hansen Ⅱ型椎間板ヘルニアと診断し,治療及び経過観察していた避妊雌のシェットランド・シープドッグが進行性運動失調,声のかすれを示した.スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)1遺伝子変異解析は変異型ホモ接合だった.第859病日に呼吸不全で死亡したため,病理解剖を実施し脳と脊髄の組織検査を行った.病理組織学的に脊髄白質のミエリン脱落と軸索変性及び,び漫性の星状膠細胞増殖を認め,腹角の神経細胞の消失や残存する神経細胞の色質融解が認められた.これらの変化は変性性脊髄症(DM)とほぼ一致していた.SOD1遺伝子の変異型ホモ接合を持ち,進行性の運動失調を呈するシェットランド・シープドッグは,DMの可能性を鑑別診断として考慮する必要があると考えられた.

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