2019 年 72 巻 2 号 p. 117-121
鳥取県内のと畜場に搬入された牛・豚の基質特異性拡張型β-ラクタマーゼ(ESBL)産生大腸菌の保有状況を調査した.牛93頭及び豚98頭の盲腸内容物を検体とし,牛では1頭(1.1%)及び豚では27頭(27.6%)からESBL産生大腸菌が分離された.血清型は,牛ではO6が1株,豚ではO143が10株,O25が2株,その他は型別不能であった.ESBL遺伝子は,牛ではCTX-M-1 groupが1株,豚ではCTX-M-1 groupが22株,CTX-M-2 groupが3株及びCTX-M-9 groupが2株であった.豚由来株の薬剤感受性はβ-ラクタム系薬剤のほか,フルオロキノロン系に7株が耐性,ホスホマイシンに2株が耐性,ST合剤には6株が耐性を示した.病原性関連遺伝子は,豚由来株1株がest I とest II を,1株がest II を保有していた.本調査により,ESBL産生大腸菌は豚で保有率が高く,この中には多剤耐性を示す株や病原性関連遺伝子を保有する株が含まれていることが明らかになった.