2019 年 72 巻 3 号 p. 167-171
大阪府内で,平成29年10〜11月に,合計11頭の犬レプトスピラ症を疑う症例の届出があり,そのうち9頭が死亡した.疫学調査の結果から,8頭が同じ河川敷を散歩コースとしており,4頭の飼い主は同じ町内に居住していた.顕微鏡下凝集試験では,2頭が血清型Australisに対し,それぞれ2,560倍及び10,240倍の抗体価を示した.また,このうちの1頭の血液及び血清型を特定できなかった他の1頭の尿から,PCR法によってレプトスピラDNAが検出された.これらのことから,今回の流行事例は,同じ病原巣あるいは感染源から感染した可能性が考えられた.