日本獣医師会雑誌
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小動物臨床関連部門
動物専用のドライ式血液凝固分析装置による犬の血液凝固検査の基準範囲
入江 洋司吉田 紘子甲斐 勝行牧野 泰司柴田 真治鬼頭 克也
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2019 年 72 巻 7 号 p. 417-422

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抄録

臨床的に健常な犬123頭を対象に,動物専用のドライ式血液凝固分析装置(COAG2V)によるプロトロンビン時間(PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),血漿フィブリノゲン濃度(Fib),トロンボテスト(TB)及びへパプラスチンテスト(HPT)の基準範囲を決定した.測定にはクエン酸血漿を用いた.項目ごとに測定値が正規分布していることを確認した後,四分位法で外れ値を除外し,測定値の平均値±1.96標準偏差を基準範囲とした.その結果,PTの基準範囲は7.1〜8.4sec,TBは11.7〜14.6sec,HPTは9.8〜16.2sec,APTTは13.7〜25.6secであった.Fibでは対数変換により正規分布化し,同様の方法で基準範囲を算出後に逆変換したところ,基準範囲は113〜385mg/dl であった.

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